2026年の脱毛サロン市場はどうなっている?
矢野経済研究所の調査(2026年5月発表)によると、2025年度のエステティックサロン国内市場規模は前年度比92.1%の2,797億円(見込) で、6期連続のマイナス成長でした。ただし2026年度は2,803億円(同100.2%) と底打ち・微増が予測されており、市場は縮小から回復への転換点を迎えつつあります。
一方、東京商工リサーチのデータ(2026年5月30日)では、エステ・脱毛サロンの倒産は2026年1〜4月だけで35件 と過去最多を更新。高額コース前払いに依存したモデルの崩壊が続いています。
ミュゼプラチナム破綻の「数字」を正しく理解する
報道では「債権者120万人超」といった表現が独り歩きしましたが、これは契約者数と破産債権者数の混同に注意が必要です。正確には以下のように分離して理解すべきです。
- 契約者(会員)数:約124万人
- 破産債権者数:約20万人
- 負債総額:約260億円
つまり「124万人が返金を求めて債権者になった」わけではありません。とはいえ、高額前払いコースとローンに依存したモデルが多くの消費者トラブルを生んだ構造的問題は事実です。
この「市場全体は横ばい〜微増、しかし旧型モデルは倒産」という二極化こそが、2026年に脱毛FCを検討する際の最重要ポイントです。生き残るのは「省人化・DX化」を取り入れたモデルだと各種調査は示唆しています。
※かつて「JFAが美容・エステ分野の店舗数20%以上減少を報告」との記述が広まりましたが、日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の統計調査で当該数値を特定できなかったため、本記事では撤回します。倒産件数の増加傾向については東京商工リサーチの一次データに基づいて記述しています。
なぜ「無人セルフ脱毛」「メンズ脱毛」が伸びているのか
伸びている業態には明確な理由があります。
- 無人セルフ脱毛:IoTスマートロック(RemoteLOCK等)で予約〜決済〜入退店を自動化。人件費を大きく圧縮でき、24時間営業で固定費あたりの稼働率を高めやすい
- メンズ脱毛:男性の美意識向上や介護脱毛の認知拡大でヒゲ・VIO需要は底堅い
- 法規制への適応:ハイフ(HIFU)機器の無資格使用に対する規制強化を受け、法的リスクの低い「セルフ型光脱毛」への転換が加速
同じく省人化で伸びる業態としてはコインランドリーフランチャイズの市場動向も参考になります。
開業資金はいくら必要?初期費用とロイヤリティの内訳
無人セルフ脱毛FCの開業資金は、約300万〜500万円(最低300万円、通常400〜500万円)が目安です。ワンルームマンションの1室から開業できるモデルが多く、旧来型の店舗(1,000万円以上)と比べて低資金で始められます。
以下は無人セルフ脱毛サロンの一般的な初期費用の内訳です(ブランドにより変動)。
ロイヤリティは「固定制」が主流だが、金額は非公表が多い
近年は売上に対する定率制ではなく月額固定制を採用するブランドが増えているのが業態全体の傾向です。売上が伸びても本部への支払いが増えないため、黒字化・利益確保がしやすいのがメリットとされます。
ただし、具体的なロイヤリティ金額は本部が非公表としているケースが多く、注意が必要です。
- セルフ脱毛サロン ハイジ:公式サイトはロイヤリティ金額を非公表としています。第三者情報(加盟検討者の投稿)で確認できた具体値は月額3万3000円(固定) という例がありますが、一次情報ではないため参考値として扱い、正式な金額は必ず本部へ直接お問い合わせください。
- セルフ美容サロン Tiana:公式サイトは加盟金・保証金0円を掲示していますが、月額ロイヤリティの具体額は非公表です。
過去に流布した「ハイジ=月額5万円」「Tiana=月額6万円」という数値は一次情報で裏取りできなかったため、本記事では断定を避けます。ロイヤリティ金額は資料請求・面談時に書面で確認するのが鉄則です。
他業態の少額開業事例と比較したい方は安いフランチャイズ特集もあわせてご覧ください。
収益モデルと回収期間は?シミュレーションと「現実」
無人セルフ脱毛サロンの収益性の魅力は、損益分岐点の低さにあります。ただし、公開されている収益例は本部が示す「モデル例(理想値)」であり、満室に近い前提で組まれていることに注意が必要です。
本部公開の「モデル例」
Tiana(ティアナ)の1部屋モデルでは、月商約90万円、営業利益約62万円、損益分岐会員30名程度といった収益例が語られることがあります。ただしこれらの数値は公開一次情報で確認できておらず、あくまで本部側が提示する理想的なケースと理解すべきです。
加盟店側の「現実の声」
一方で、同業態のハイジ加盟に関する第三者投稿では「売上80万円を達成している店舗はほぼ無い」といった否定的な声も見られます。つまり、モデル例の月商90万円は多くの店舗にとって容易ではない水準である可能性が高く、満室前提の楽観バイアスは割り引いて読む必要があります。
以下はあくまで「モデル例」としての収益イメージです(実績を保証するものではありません)。
回収期間の考え方
モデル通りに稼働すれば初期費用300万〜500万円の回収期間は1〜2年という試算も可能ですが、これは楽観シナリオです。集客が軌道に乗るまでの初期数カ月は赤字になる前提で、6カ月分以上の運転資金を確保しておくことが現実的なリスク管理です。開業初年度の収支感覚はフランチャイズ開業初年度の月別収支も参考にしてください。
主要ブランドの比較|自分に合うFCの選び方
低資金・無人・メンズ特化の代表的なブランドを比較します。ロイヤリティ金額など非公表項目が多いため、必ず資料請求・面談で最新の数値を確認してください。