外食フランチャイズ市場とモスバーガーの現在地
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の「2024年度 JFAフランチャイズチェーン統計調査」によると、国内FC市場の売上高は 29兆2,826億円(前年比+3.6%) と4年連続でプラス成長を記録しました。総店舗数は 25万4,478店舗 に達しています。
なかでも外食業態は全業種で最も伸び率が高い水準にあり、ポストコロナの回復とインバウンド効果が業績を牽引しています。外食FC全体の動向については外食フランチャイズ業界の最新トレンドもあわせてご覧ください。
モスフードサービスの規模と店舗数
こうした追い風のなか、モスフードサービスが公式サイト「1分でわかるモスフードサービス」で公開している2025年度のチェーン全店売上高は 約1,497億円、年間来店者数は 約1億人(POSレジ会計数)です。
国内店舗数は、公式の「店舗数」ページで内訳まで公開されています。2026年8月31日現在、モスバーガーの国内店舗数は 加盟店1,269店・直営店38店の合計1,307店(モスカフェを含む)、モスグループ総合計は 1,870店 です。加盟店が占める割合は約97% で、FCオーナーによる運営が事業の中核を担っています。
※本記事では、公式サイト上で直接確認できた数値のみを掲載しています。連結の売上高・営業利益など決算数値は、モスフードサービスのIRサイトで公開されている決算短信をご確認ください。
消費の二極化に対応するブランド戦略
モスバーガーは、消費者の「節約志向」と「こだわり消費」の二極化に対し、低・中・高価格帯を網羅する価格戦略を採用しています。単なる安売りではなく、商品体験での差別化を図ることで幅広い顧客層を獲得している点が、収益基盤の安定につながっています。
同じバーガー・ファストフード系FCと比較検討したい方は、フレッシュネスバーガーの詳細を見るやドミノ・ピザの詳細を見るもあわせて確認すると、業態の違いが見えてきます。
公式が出している加盟条件と開業資金
モスバーガーのフランチャイズについて、本部が公式サイトで公開している条件を整理します。公開されている項目と、公開されていない項目をはっきり分けて見ることが出発点です。
※出典:モスフードサービス公式「加盟募集」および「加盟募集 よくあるご質問」(2026年10月3日確認)。最新かつ正確な条件は必ず本部の説明会・資料で確認してください。
加盟金とロイヤリティは本部が公開していない
加盟金・保証金の額と、ロイヤリティの料率は、モスフードサービスの公式サイト(加盟募集ページ・加盟募集のよくあるご質問)のいずれにも記載がありません。第三者のFC情報サイトには具体的な金額や料率を挙げるものもありますが、本部の一次情報で裏が取れないため、当サイトでは掲載していません。
公式が明示しているのは、開業資金の総額の目安(ビルイン店舗でおおよそ4,000万円以上)までです。加盟金・保証金・ロイヤリティ・広告宣伝費といった本部への支払いの内訳は、説明会で直接確認する必要があります。その際は、料率の数字だけでなく 算定の対象(総売上か粗利か) と、ロイヤリティ以外に継続的に発生する費用の有無 までセットで聞いておくと、後から「思っていた負担と違う」という事態を避けられます。
費用面の比較検討には、初期費用を抑えやすいフランチャイズの記事も参考になります。
収支モデルは本部が公開していない
実際にどれくらいの利益が残るのか。ここがいちばん知りたいところですが、モスフードサービスは収支モデルを公開していません。公式の加盟募集よくあるご質問は「収支の例を教えて下さい。」という設問に対し、「店舗形態や売上によって異なりますので、詳しくは説明会にてご質問ください。」と回答しています。
ネット上には月商や営業利益のモデル値が出回っていますが、本部の一次情報で裏が取れないため、当サイトでは掲載していません。出所の分からない数字を前提に資金計画を立てると、返済計画そのものが狂います。
代わりに、説明会で次の項目を自分で埋めていくのが現実的な進め方です。
- 候補になる店舗形態(ロードサイドかビルインか)と、形態ごとの開業資金の目安
- 想定月商のレンジと、その前提になる商圏・客数の考え方
- 食材・包材の仕入れ条件(本部経由かどうか、価格の決まり方)
- ロイヤリティの料率と算定対象、広告宣伝費など他の継続費用の有無
- オーナー自身が店舗に入る前提か、雇用で回す前提か
資金面でひとつ注意したいのが、公式FAQの「新規加盟における融資制度はご用意しておりません。開業資金については、原則ご自身で準備をお願いしております」という記載です。本部の融資制度に頼れない前提で、自己資金と金融機関からの調達を組み立てる必要があります。
なお、投資を回収しながら 複数店舗展開 を進めて人材マネジメントを効率化する、という進め方は外食FC全般で見られるパターンです。ただしモスバーガー個別の多店舗オーナーの収益について、本部は数値を公開していません。
開業初年度の収支イメージをより詳しく知りたい方は、フランチャイズ1年目の月次収支・利益シミュレーションも参考にしてください。
収益性を高めるDX・省人化の潮流
中小企業庁「2026年版 中小企業白書」でも「人手不足の深刻化」と「稼ぐ力の強化(労働生産性の向上)」が課題として挙げられており、外食FCも例外ではありません。
外食チェーン全般では、この課題に対して以下のような省人化・DXの取り組みが進んでいます。
- 店内・モバイルからの「お席で注文」システムの活用
- ドライブスルーやレジ業務の効率化に向けた自動化・セルフレジ導入
- 本部・FC間の情報連携を効率化する店舗運営支援ツールの活用
※一部の情報サイトでは「多店舗運営ソリューション『Shopらん®』を2026年4月から本格導入」との記述が見られますが、Shopらん®(ハンモック社の店舗運営支援製品)自体は実在するものの、モスバーガーが特定時期に本格導入したという事実は当社の確認では裏付けが取れていません。導入状況は公式発表でご確認ください。
こうした省人化・DXは、人件費が経営を圧迫しやすい外食業において、オーナーの収益性を守る重要な打ち手となります。FC業界全体のDX動向はフランチャイズのAI・DXトレンド2026で詳しく解説しています。
加盟までの検討ステップ
モスバーガーのフランチャイズを検討する際は、以下の手順で進めるとリスクを抑えられます。