外食フランチャイズ市場とモスバーガーの現在地
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の「2024年度 JFAフランチャイズチェーン統計調査」によると、国内FC市場の売上高は 29兆2,825億円(前年比+3.6%) と4年連続でプラス成長を記録しました。総店舗数は 25万4,478店舗 に達しています。
なかでも外食業態は全業種で最も伸び率が高い水準にあり、ポストコロナの回復とインバウンド効果が業績を牽引しています。外食FC全体の動向については外食フランチャイズ業界の最新トレンドもあわせてご覧ください。
モスフードサービスの業績と店舗数
こうした追い風のなか、株式会社モスフードサービスの2026年3月期連結決算は、売上高 1,027億7,300万円(前期比6.8%増)、営業利益 65億6,100万円(同25.6%増) と大幅な増収増益を達成しました。
国内店舗数については、同社が公表する第3四半期時点で約1,300店舗規模で推移しています。そのうち加盟店(フランチャイズ)が占める割合は、同社の公表情報で「約9割超」とされており、FCオーナーによる運営が事業の中核を担っています。
※「加盟店1,266店舗・FC比率97%」「2026年5月末1,305店舗」といった具体数はネット上で散見されますが、当社が確認した公式IR・店舗数ページでは期末の直営/FC内訳の詳細は「約9割超」との表現にとどまります。正確な内訳は本部の最新IR資料でご確認ください。
消費の二極化に対応するブランド戦略
モスバーガーは、消費者の「節約志向」と「こだわり消費」の二極化に対し、低・中・高価格帯を網羅する価格戦略を採用しています。単なる安売りではなく、商品体験での差別化を図ることで幅広い顧客層を獲得している点が、収益基盤の安定につながっています。
同じバーガー・ファストフード系FCと比較検討したい方は、フレッシュネスバーガーの詳細を見るやドミノ・ピザの詳細を見るもあわせて確認すると、業態の違いが見えてきます。
加盟金・初期費用・ロイヤリティの実態
モスバーガーのフランチャイズに加盟する際の費用構造を整理します。名目上のロイヤリティ負担は軽く見えますが、実際の初期投資は大きく、また本部への支払いはロイヤリティだけに留まらない点に注意が必要です。
※上記は各種フランチャイズ情報サイトの公開データに基づく参考値です。金額は立地・店舗規模・時期により大きく変動します。最新かつ正確な条件は必ず本部の説明会・資料で確認してください。
ロイヤリティ「1%」の本当の意味
ロイヤリティは 月間売上高の約1% と、業界内でも低い水準に設定されています。ただし、以下の理由から「実質的な本部への支払い・加盟店の負担はロイヤリティ1%だけには留まらない」点を理解することが重要です。
- 広告宣伝費(販促協力金):ロイヤリティとは別に、売上の約1%程度を本部の広告宣伝費として負担する仕組みがあるとされます。
- 本部指定の食材・包材購入:主要な食材・包材は本部(または指定ルート)を通じて仕入れる仕組みのため、仕入れ価格を通じた実質負担が発生します。
つまり「ロイヤリティは業界最安クラスだが、広告費や仕入れを含めた総コストで見る必要がある」という構造です。数字の見かけだけで判断せず、必ず本部資料で内訳を確認しましょう。
ロイヤリティ体系の比較検討には、初期費用を抑えやすいフランチャイズの記事も参考になります。
モデルケースで見る収益性とオーナーの実態
実際にどれくらいの利益が残るのでしょうか。以下は本部公式の開示ではなく、フランチャイズ情報サイトや加盟オーナーの体験談で公開されているモデル値であり、個店差が大きく独立検証はできていません。あくまで一つの目安としてご覧ください。
月商約550万〜650万円の店舗を想定した場合の、コスト構造の一般的なイメージは以下の通りです(いずれも第三者情報に基づく推定)。
- 食材原価:約33〜36%
- 人件費:約27〜30%
- ロイヤリティ・広告宣伝費・家賃・諸経費 など
これらを差し引いた営業利益は 月額80万〜100万円程度 が目安とされています(※体験談ベースの参考値)。ただし、ここから初期投資の借入返済、設備修繕費、そしてオーナー自身の給与を捻出する必要があります。
そのため「1店舗のみの運営で、オーナー自身がシフトに入らないと利益を残しにくい」という声も少なくありません。成功しているオーナーの多くは、投資を回収しながら 複数店舗展開(メガフランチャイジー化) を進め、人材マネジメントの効率化と経営の安定化を図っています。
開業初年度の収支イメージをより詳しく知りたい方は、フランチャイズ1年目の月次収支・利益シミュレーションも参考にしてください。
収益性を高めるDX・省人化の潮流
中小企業庁「2026年版 中小企業白書」でも「人手不足の深刻化」と「稼ぐ力の強化(労働生産性の向上)」が課題として挙げられており、外食FCも例外ではありません。
モスバーガーおよび外食チェーン全般では、この課題に対して以下のような省人化・DXの取り組みが進んでいます。
- 店内・モバイルからの「お席で注文」システムの活用
- ドライブスルーやレジ業務の効率化に向けた自動化・セルフレジ導入
- 本部・FC間の情報連携を効率化する店舗運営支援ツールの活用
※一部の情報サイトでは「多店舗運営ソリューション『Shopらん®』を2026年4月から本格導入」との記述が見られますが、Shopらん®(ハンモック社の店舗運営支援製品)自体は実在するものの、モスバーガーが特定時期に本格導入したという事実は当社の確認では裏付けが取れていません。導入状況は公式発表でご確認ください。
こうした省人化・DXは、人件費が経営を圧迫しやすい外食業において、オーナーの収益性を守る重要な打ち手となります。FC業界全体のDX動向はフランチャイズのAI・DXトレンド2026で詳しく解説しています。
加盟までの検討ステップ
モスバーガーのフランチャイズを検討する際は、以下の手順で進めるとリスクを抑えられます。