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訪問看護ステーションFC開業完全ガイド|加盟金・収益モデルと看護師独立の実態【2026年版】

成長市場の在宅医療で独立するための資金計画・要件・主要ブランド比較を数値で徹底解説

訪問看護ステーションのフランチャイズ開業とは

超高齢社会のピークを越え、在宅医療の需要が右肩上がりで拡大する中、訪問看護ステーションは異業種からの参入・独立開業先として注目を集めています。厚生労働省・全国訪問看護事業協会のデータによると、訪問看護ステーションの稼働数は近年増加傾向が続いています。

一方で、開業には「常勤換算2.5名以上の看護職員」という法定要件があり、看護師1人での独立は不可能です。人材確保と運転資金のハードルから、フランチャイズ(FC)による開業支援を活用するケースが増えています。この記事では、加盟金・開業資金・収益モデル、そして「看護師独立の実態」までを数値ベースで徹底解説します。

この記事のポイント

  • 開業資金は総額約600万〜1,000万円(加盟金は業界相場200万〜400万円が目安)
  • 看護師6〜8名体制が軌道に乗れば月商約700万円・営業利益率10〜20%(満床稼働前提の試算)
  • 開業には常勤換算2.5名以上の看護職員が必須、オーナー自身は看護師でなくてよい
  • 事業所数は全国18,743ヵ所(全訪問看護ステーション実値)に達する成長市場

参入前の注意点

  • 診療報酬は入金まで約2ヶ月かかり、運転資金の余裕が必須
  • 看護師採用は紹介会社経由で1人100万円超のケースもあり採用競争が激しい
  • 新規開設と同時に廃止・休止も過去最多水準。人材確保できない事業所の淘汰が進行中
  • 加盟金を公式非公開とする本部も多く、条件は必ず説明会・個別相談で確認を

訪問看護の市場規模はどれくらい伸びている?

訪問看護は介護・医療サービスの中でも突出した成長分野です。厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査」によると、訪問看護は居宅サービスの中で前年比9.9%増という高い伸び率を示しました。事業所数は2012年以降の13年間で約3倍に拡大しています。

訪問看護に係る医療費・介護給付費の合計は増加の一途をたどり、市場規模は1兆円を大きく超える規模で今後も成長が見込まれます。開設主体の内訳を見ると、営利法人(株式会社等の民間企業)が全体の64.0%を占めており、医療法人(19.7%)を大きく上回っています。つまり、いまや訪問看護は「民間企業が主役」の市場なのです。

淘汰と二極化が始まっている

ただし、参入すれば安定的に収益が得られるとは限りません。2024年度の新規開設数は2,487ヵ所と過去最多だった一方、廃止(886ヵ所)と休止(355ヵ所)も過去最多を記録しました。人材確保ができない小規模事業所の淘汰が始まっており、市場は「成長」と「サバイバル競争」が同時進行しています。

訪問看護FCの開業資金・加盟金はいくら?

訪問看護ステーションの開業資金は、FCブランドや規模によって差がありますが、総額600万〜1,000万円強が一般的な目安です。以下は主なFCの費用構造の例です。

費用項目目安金額内容
加盟金300万〜340万円ノウハウ・研修・開業支援パッケージ
物件取得・内装100万〜200万円事務所賃料・敷金・什器
採用費100万〜300万円看護師紹介手数料(1人100万円超のケースも)
運転資金300万〜500万円保険請求から入金まで約2ヶ月のタイムラグ対応
合計約600万〜1,000万円

特に見落とされがちなのが運転資金のタイムラグです。訪問看護の収入源である診療報酬・介護報酬は、サービス提供から実際の入金まで約2ヶ月かかります。この間の人件費(看護師の給与)を先払いする必要があるため、手元資金の余裕が事業存続の鍵を握ります。

訪問看護FCの収益モデルと年収の目安

収益モデルの一例として、看護師6名・療法士2名体制が軌道に乗った場合、月商約700万円、営業利益率10〜20%を見込むモデルが提示されています(ケアーズ等の公開データ)。

訪問看護の売上は「訪問件数 × 単価」でほぼ決まるシンプルな構造です。1人の看護師が1日4〜5件訪問し、1件あたり約8,000〜1万円の報酬を得るイメージです。スタッフ数を増やせば売上は比例して伸びますが、人件費が原価の大半(売上の約60〜70%)を占めるため、いかに稼働率を高く維持するかが利益を左右します。

オーナー年収は、単一ステーションが安定稼働した場合で500万〜800万円程度、複数拠点展開でさらなる収益を目指すモデルもあります(収益を保証するものではありません)。ただしこれは満床稼働・低離職を前提とした試算であり、開業初年度は赤字が一般的です。

ソフィアメディ

エムスリーグループ傘下の業界大手。FCではなく直営展開で、事業モデルのベンチマーク的存在。

おすすめポイント

  • 直営で多数拠点を展開
  • 質と労働環境を重視
  • 事業モデルのお手本
展開形態直営(FCなし)
特徴高水準の医療モデル
ケアーズ(インキュベクス)

全国で多数の支援実績を持つ開業支援型FC。月額固定サポート費方式とされる。加盟金は本部非公開。

おすすめポイント

  • 開業支援型FC
  • ロイヤリティは月額固定サポート費方式
  • 軌道時 月商約700万円のモデル提示
加盟金本部非公開(要問合せ/業界相場200万〜400万円)
ロイヤリティ月額固定サポート費方式(詳細は要問合せ)
初期資金600万〜1,000万円強が目安
ファミリーナース(運営:tocotoco株式会社)

精神科訪問看護に特化したFC。自宅一室での開所が可能で初期費用を抑える方針、早期の投資回収を訴求(回収を保証するものではありません)。

おすすめポイント

  • 精神科訪問看護に特化
  • 自宅一室での開所が可能
  • 投資回収5〜7ヶ月を訴求
初期費用低初期費用を訴求(具体額は要問合せ)
ロイヤリティ要問合せ(公開情報では非公開)

業態全体の収益性を他業種と比較検討したい方は、フランチャイズの収益モデルを比較する記事も参考にしてください。

開業に必要な参入要件・資格は?

訪問看護ステーションの開業には、以下の法定要件を満たす必要があります。

  • 常勤換算2.5名以上の看護職員(保健師・看護師・准看護師)の確保
  • 専従の管理者(看護師または保健師)の配置
  • 都道府県知事等への指定申請(介護保険・医療保険の指定事業者)
  • 事務所(相談室・処置室等のスペース確保)

重要なのは、オーナー自身が看護師である必要はないという点です。資金力のある異業種法人(不動産・建設・飲食等)がFC本部と組んでオーナーとなり、現場の管理を看護師(雇われ管理者)に任せるモデルが現在の主流となっています。

看護師個人の独立の壁

看護師1人のみでは法的に開業できず、採用費(紹介会社経由で1人100万円以上)や運転資金のタイムラグに耐える必要があります。そのため純粋な「看護師個人の独立」は資金面でハードルが高いのが実態です。看護師が独立を目指す場合も、共同経営者や資金支援を得られるFCパッケージを活用するのが現実的です。

ソフィアメディ・ケアーズなど主要ブランドの違い

業界大手のソフィアメディは、エムスリー(M3)グループ傘下でFCではなく直営展開により100拠点以上を運営しています。高水準な労働環境と質を重視した医療モデルが特徴で、個人や法人が事業モデルを構築する際の「お手本(ベンチマーク)」とされています。

一方、FC・開業支援型としてはケアーズ(インキュベクス)が全国700事業所以上の支援実績を持ち、ロイヤリティを売上歩合ではなく月額固定のサポート費(約12万円〜)とする方式を採用しています。ファミリーナースは初期費用約1,000万円前後、ロイヤリティは診療報酬の5%というモデルです。ブランドの詳細はケアーズのブランド詳細ページでも確認できます。

訪問看護FC開業までのステップ

開業までは、以下の流れで進めるのが一般的です。指定申請には時間がかかるため、逆算したスケジュール管理が重要です。

手順ガイド

1

事業計画とFC本部の選定

市場性・自己資金・エリアの需要を分析し、収支モデルを試算します。複数のFC本部から資料を取り寄せ、加盟金・ロイヤリティ・サポート内容を比較検討しましょう。加盟金を非公開とする本部は説明会で個別条件を確認します。

2

資金調達の準備

自己資金に加え、日本政策金融公庫の融資や各種補助金の活用を検討します。運転資金として最低3ヶ月分の人件費を確保できる計画が必要です。

3

法人設立・事務所の確保

訪問看護は法人であることが指定要件です。株式会社等を設立し、相談室・処置室スペースを備えた事務所を賃貸契約します。立地は訪問エリアの中心を意識しましょう。

4

看護師・管理者の採用

常勤換算2.5名以上の看護職員と専従の管理者(看護師・保健師)を確保します。採用が最大のハードルであり、開業スケジュールの起点になります。

5

指定申請の手続き

都道府県等へ介護保険・医療保険の指定事業者申請を行います。書類審査に1〜2ヶ月かかるため、開業希望日から逆算して早めに着手します。

6

ICT・記録システムの導入

電子カルテやスケジュール管理システムを整備します。医療DXが評価される流れが続くため、多職種連携やオンライン対応の基盤を作りましょう。

7

営業・利用者獲得

地域の医療機関・ケアマネジャー・地域包括支援センターへ挨拶回りを行い、利用者の紹介ルートを構築します。開業前からの関係づくりが早期黒字化の鍵です。

8

開業・運営スタート

サービス提供を開始し、稼働率と離職率をモニタリングします。診療報酬の入金は約2ヶ月後になるため、資金繰りを慎重に管理しながら体制を拡大します。

開業前チェックリスト

参入判断・準備の際に確認すべき項目をまとめました。

チェックリスト

自己資金+運転資金を600万円以上確保できるか

入金タイムラグに備え、人件費3ヶ月分の余裕が必要です。

常勤換算2.5名以上の看護師を採用できる見込みがあるか

採用が開業の最大の壁。人脈や紹介ルートを事前に確認しましょう。

専従の管理者(看護師・保健師)を確保しているか

管理者は法定要件であり、経験者が望ましいです。

出店エリアの高齢者人口・競合事業所を調べたか

需要と競合バランスは収益性に直結します。

FC本部のサポート内容と実績を比較したか

加盟金・ロイヤリティ形態・研修・採用支援を確認します。非公開条件は説明会で確認を。

地域の医療機関・ケアマネと連携ルートを持っているか

利用者紹介の起点となり早期黒字化を左右します。

最新の報酬改定内容を厚労省資料で把握しているか

賃上げ強化やICT加算への対応可否を一次資料で確認しましょう。

融資・補助金の活用計画を立てたか

日本政策金融公庫や補助金で資金負担を軽減できます。

2026年報酬改定で押さえるべき注意点

訪問看護の収益は診療報酬・介護報酬に直結するため、改定の動向を把握することが不可欠です。2024年・2026年改定では以下の変化がありました。

  • 処遇改善(賃上げ)の義務化:スタッフの基本給底上げが求められ、2026年改定でも賃上げ分として+1.70%が充当されました。採用競争に対応できない事業所は脱落リスクが高まっています。
  • 医療DXの推進:2026年改定で「訪問看護医療情報連携加算(月額1,000円)」や「訪問看護遠隔診療補助料(月額2,650円)」が新設され、ICT活用が評価される流れです。
  • 適正化のメス:同一建物への頻回訪問や20分未満の極端な短時間訪問への報酬単価が引き下げられ、不当な利益追求型モデルは通用しなくなっています。

つまり、「質の高いケア」と「働きやすい職場づくり」を両立できる事業者だけが生き残る環境へと変化しています。

よくある質問

A

できません。開業には常勤換算2.5名以上の看護職員と専従の管理者が法定要件として必要です。また採用費(紹介会社経由で1人100万円以上のケースも)や約2ヶ月の入金タイムラグに耐える運転資金も要るため、看護師個人の独立は資金面でハードルが高いのが実態です。共同経営者や資金支援のあるFCパッケージの活用が現実的です。

A

オーナー自身が看護師である必要はありません。現在は資金力のある異業種法人がオーナーとなり、現場の管理を看護師(雇われ管理者)に任せるモデルが主流です。ただし専従の管理者には看護師または保健師の資格が必須です。

A

一般的に開業初年度は赤字になりやすく、看護師6〜8名体制が稼働し利用者が安定する半年〜1年半程度で黒字化を目指すケースが多いです。診療報酬の入金は約2ヶ月遅れるため、運転資金の確保と稼働率の維持が黒字化を左右します。

A

加盟金は業界一般の相場で200万〜400万円程度、初期資金は総額600万〜1,000万円強が目安です。ただしケアーズのように加盟金を公式に非公開とし、地域・事業者ごとに個別シミュレーションを行う本部もあります。ロイヤリティは月額固定のサポート費を採用する本部と売上・報酬に応じた歩合制の本部があり、正確な条件は各本部への問い合わせが必要です。

A

はい。事業所数は増加傾向が続いており、在宅医療需要を背景に成長が続く見込みです。ただし近年は新規開設と同時に廃止・休止も過去最多水準となり、人材確保できない事業所の淘汰も進行しています。質と労働環境を両立できる事業者が生き残る環境です。

まとめ

訪問看護ステーションは、市場規模1兆円超・15年連続で事業所数が増加する成長市場であり、営利法人が主役となった参入しやすい分野です。FCを活用すれば、開業資金約600万〜1,000万円で参入でき、看護師6〜8名体制が軌道に乗れば月商700万円・営業利益率10〜20%を狙えます。

一方で、看護師2.5名以上の確保という法定要件、採用費や2ヶ月の入金タイムラグに耐える運転資金、報酬改定による淘汰圧力など、課題も明確です。看護師個人の独立は資金面で難しく、資金力のある法人オーナー+雇われ管理者モデルが主流となっています。

成長市場だからこそ、質の高いケアと働きやすい職場を両立できる事業者だけが生き残ります。FC本部のサポート体制収支モデルを冷静に比較し、無理のない資金計画で挑むことが成功への近道です。

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参考文献・出典

  1. 令和6年 介護サービス施設・事業所調査厚生労働省(2025年)
  2. 訪問看護ステーション数調査全国訪問看護事業協会(2025年)
  3. 訪問看護に関するデータ・資料公益財団法人 日本訪問看護財団(2025年)

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タグ

訪問看護フランチャイズ開業ガイド医療・介護

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この記事の執筆者

フランチャイズコンパスの編集部です。フランチャイズ本部の公表資料・一次情報をもとに、開業資金・ロイヤリティ・契約条件・サポート体制を中立的な視点で調査・比較し、独立開業を検討する個人の意思決定に役立つ情報を発信しています。掲載する数値・条件は確認済みの情報のみを扱い、不明な項目は空欄のまま残す方針です。運営は株式会社プレスエー。

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