サーティワンのフランチャイズはいくらで開業できる?初期費用の内訳
最初に押さえておきたいのは、サーティワンの本部は加盟金・ロイヤリティ・開業資金のいずれも公表していないという事実です。公式サイトにあるのは加盟募集ではなく「店舗物件募集」のページで、そこに金額の記載はありません。
公式が示しているのは、金額ではなく出店条件の特徴です。「火や油を使わないから厨房設備不要」「小スペース・小資本。」「保証金不要。」「パート・アルバイトも即戦力。少人数での営業。」と記載されており、店舗タイプは次の4種類が挙げられています。
一方、実際の開業には内装工事費や設備投資が必要です。特徴的なのは、アイスクリームの品質を守るための冷凍ショーケース(ストッカー)への投資で、31種類のフレーバーを常時陳列するため複数台の高性能ショーケースが必須となり、この設備コストが他業態より高めになります。ただし金額は本部が示していないため、当サイトでは具体的な開業資金の目安額を掲載しません。二次情報には加盟金や開業資金の目安額も流通していますが、本部が公表した値ではなく一次情報で裏が取れないためです。正確な金額は本部へ直接問い合わせたうえで、法定開示書面で確認してください。
ショッピングモール内のインライン店舗か、ロードサイドの独立店舗か、テイクアウト専門の省スペース店舗かによって投資額は大きく変わります。近年は初期投資を抑えられる「ToGo(テイクアウト)専門店」の展開も進んでおり、開業ハードルは以前より下がりつつあります。開業資金を抑えたい方は少額から始められるフランチャイズの選び方もあわせてご覧ください。
ロイヤリティは何%?月々の本部支払いの仕組み
ランニングコストとして本部へのロイヤリティと広告宣伝分担金が発生しますが、料率は本部が公表していません。二次情報では「店頭小売売上高に対してロイヤリティ5%+広告宣伝分担金3%=合計8%」という数字が流通していますが、一次情報での裏取りができないため、本記事では確定値として扱わず、後述の収支モデルでは合計8%を仮定した場合の試算として扱います。
この制度は、過去に本部が加盟店へのアイスクリーム卸売価格を引き下げた際に導入された経緯があるとされています。つまり「仕入れを安くする代わりに、売上に応じたロイヤリティで本部と加盟店が利益を分かち合う」という設計です。
広告宣伝分担金は、テレビCMや話題性のあるIPコラボ、公式アプリ「31Club」の運営費などに充てられます。個人経営では到底実現できない全国規模のマーケティングを享受できる点は、加盟店にとって大きなメリットと言えるでしょう。
仮に月商約541万円(後述の平均モデル)の店舗で合計8%を仮定した場合、月々の本部支払いは約43万円という計算になります。
サーティワンのFCは本当に儲かる?収益モデルを検証
最も気になる収益性を見ていきましょう。B-Rサーティワンアイスクリーム株式会社の2026年12月期第2四半期決算説明資料によると、1店舗当たりの上半期平均売上高は3,246万円(月商換算で約541万円)、上半期の国内総小売売上高は349億円、既存店前年対比は+6.6%です。国内店舗数は6月末時点で1,088店舗(前年同期比39店の純増、準店舗を含むと1,102店舗)まで拡大し、上半期の売上高185億5,100万円は5期連続で過去最高を更新しました。
ここからが試算のポイントです。以下の月次収支モデルは、上記の平均売上高をもとにした当メディア独自の推計であり、本部が公表している収支ではありません。各コスト比率は業界一般の水準を当てはめた仮定値である点を明確にしておきます。
※月商541万円は、本部が開示した「1店舗当たりの上半期平均売上高3,246万円」を6で割った値です。原価40%・ロイヤリティ8%・人件費20%・家賃9%といった比率は、本部が公表していないため業界一般値を用いた当メディアの仮定であり、実際は立地・店舗形態・季節により大きく変動します。
この試算を前提とすると、営業利益率は約8〜12%前後、計算上の年間営業利益(オーナー年収相当)は仮定値の積み上げにより変動し、特定の金額を見込めるものではありません。これはあくまで「オーナー自身が店長として稼働する」ことを前提とした推計値であり、実際の手取りを保証するものではありません。
店長を雇用して完全にオーナー業に徹する場合は、その人件費分(年300万〜400万円程度)が差し引かれるため、収益は大きく変わります。年収試算はあくまで参考値として捉え、本部の個別シミュレーションと既存店ヒアリングで裏を取ることが重要です。1年目のリアルな収支を知りたい方は開業1年目の月次収支・利益の実態も参考になります。
追い風と逆風:2026年の市場トレンドを正確に読む
サーティワンのビジネスを支える市場環境は、金額面では良好です。一般社団法人日本アイスクリーム協会によると、2024年度の国内アイスクリーム市場規模はメーカー出荷ベースで6,631億円(前年比102.8%)と過去最高を更新しました。
ただし、この「過去最高」には注意が必要です。金額ベースでは伸びている一方、物量(数量)ベースでは前年比97.8%とわずかに減少しています。つまり市場拡大の主因は値上げによる単価上昇であり、消費量そのものは横ばい〜微減という実態があります。「アイス市場は絶好調」と単純化せず、価格転嫁の恩恵と数量減の両面を踏まえる必要があります。
フランチャイズ業界全体では、日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の統計によれば売上高は堅調に推移しており、外食業も回復・成長基調にあります。スイーツ業態はこうした流れの恩恵を受けやすい位置づけです。外食FC全体の動向は外食フランチャイズ業界の最新トレンドで詳しく解説しています。
一方で逆風も存在します。
- 猛暑による機会損失: 「屋外で持ち帰るまでにアイスが溶ける」問題が近年の夏商戦で顕在化。保冷対策やToGo店舗が対応策となっています。
- 人件費・原材料費の高騰: アルバイト時給の上昇と原材料コスト増が利益を圧迫。DXによる省人化が明暗を分けます。
こうした逆風に対し、サーティワンは公式アプリ「31Club」(会員数1,188万人/2026年12月期第2四半期決算説明資料)とモバイルオーダーでレジ業務を軽減し、人件費削減と利便性向上を同時に進めています。フランチャイズ業界のDX活用の潮流はフランチャイズのAI・DX最新トレンドもご覧ください。
競合スイーツ・カフェ系FCとの比較
アイス・スイーツ系のフランチャイズを検討する際、他ブランドとの位置づけを把握しておくことが重要です。初期投資・ロイヤリティ・収益性の観点で比較しました。