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就労継続支援B型フランチャイズの実態|給付費モデルの収益性と落とし穴を徹底解説【2026年最新】

安定ストックビジネスの魅力と、報酬改定・総量規制・サビ管不足という現実的リスクを公平に検証

就労継続支援B型フランチャイズとは?結論と要点

就労継続支援B型は、一般企業での就労が難しい障害のある方に、雇用契約を結ばずに軽作業や生産活動の機会を提供する障害福祉サービスです。近年は資本力のある株式会社の参入が増え、フランチャイズ(FC)による開業モデルが急速に広がっています。

収益の大半は、利用者の通所日数に応じて国から支払われる「訓練等給付費」であり、貸し倒れリスクが実質ゼロに近い安定したストックビジネスである点が最大の特徴です。一方で、2024年度(令和6年度)の報酬改定により「工賃向上」「一般就労への移行」が強く求められるようになり、単なる居場所型の事業所は淘汰され始めています。

本記事では、公的統計に基づく市場規模・収益性の実態から、給付費モデルの仕組み、FCブランド比較、そして見落とされがちなリスクまでを、出典を明示しながら公平に解説します。まず以下の要点を押さえておきましょう。

市場データとトレンド

  • 事業所数は約16,068カ所、利用者数は約32万3,786人(厚労省2024年6月時点/国保連データ等)
  • B型の平均収支差率は5.2%、赤字事業所は約39%(厚労省令和5年経営実態調査)
  • 社会福祉法人・NPOに加え、株式会社など営利法人によるFC参入が年々増加

参入のポイント

  • 売上の大半が国からの給付費のため未回収リスクが実質ゼロに近い
  • FC本部が仕事(作業)を提供・開拓するため開業直後から稼働しやすい
  • 工賃向上・一般就労移行に資する業務設計を持つ本部を選ぶことが成功条件

リスク・注意点

  • サビ管の離職で配置基準を欠くと大幅減算・指定取消のリスク
  • 全体の約4割が赤字。稼働率が損益分岐点を下回ると一気に赤字化
  • 一部自治体で総量規制(新規指定停止)の動き。開始時期は自治体公表を要確認

就労継続支援B型の市場規模はどれくらい?

就労継続支援B型は、障害福祉サービスの中でも最も事業所数が多い分野の一つで、右肩上がりの成長を続けています。厚生労働省「障害福祉サービス等の事業所数の推移等」資料によると、事業所数は2015年(平成27年)の9,698カ所から、2024年(令和6年)6月時点で約16,068カ所へと約1.6倍に増加しました。年平均成長率はおおむね7%前後です。

利用者数も同資料で約32万3,786人(2024年6月時点)とされており、障害福祉サービス関係予算全体は直近約19年間で大幅に拡大しています(厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料)。

【出典・調査時点に関する注記】 上記の事業所数・利用者数は、厚生労働省が国保連(国民健康保険団体連合会)データ等をもとに公表した2024年6月時点の値です。一方、社会福祉施設等調査など別の調査では調査時点・集計対象が異なり、事業所数が18,000超と示される場合もあります。調査名・時点により数値が異なるため、比較の際は必ず同一調査内で確認してください。

かつて主流だった社会福祉法人やNPO法人に加え、株式会社などの営利法人による新規参入比率が年々高まっており、FC本部のノウハウを活用して未経験から参入する事業者が増えているのが現状です。高齢化・社会的ニーズの高まりを背景に、市場そのものは今後も拡大が見込まれます。

収益性(利益率)の実態はどうか

収益性は「平均だけを見ると誤解しやすい」分野です。厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査」によると、2022年度決算におけるB型の平均収支差率(一般企業の経常利益率に相当)は5.2%でした。

重要なのは、事業所間の格差が非常に大きい点です。同調査では赤字事業所が約39%(黒字事業所は約61%)とされており、およそ4割の事業所が赤字という現実があります。

【重要な注記】 一部メディアでは「黒字事業所に限定した平均収支差率は15.6%」といった数値が引用されることがありますが、これは公的資料(令和5年経営実態調査)で裏取りができません。また「黒字約66%・赤字約3分の1」という比率は、WAM(福祉医療機構)の別調査の数値(赤字約33.2%)と混同されている可能性があります。本記事では、確証のある令和5年経営実態調査の「平均収支差率5.2%/赤字約39%」を採用します。 個別の高収益事例はあくまで一部の成功事業所であり、平均像ではない点にご注意ください。

つまり、運営がうまくいけば安定した収益体質を実現できる一方、赤字に陥る事業所も約4割存在するということです。この二極化こそがB型ビジネスの本質を表しています。

給付費ベースの収益モデルを図解する

B型事業所の収益構造を理解することが、FC加盟を検討するうえで最も重要です。売上の柱は「訓練等給付費(基本報酬+各種加算)」であり、利用者が通所した日数に応じて国(国民健康保険団体連合会)から支払われます。

基本報酬は「人員配置」「定員数」「平均工賃月額」の3要素で決まります。特に2024年度改定以降、平均工賃月額が高いほど報酬単価が上がる仕組みが強化されました。

収益・費用項目内容ポイント
訓練等給付費通所日数×基本報酬単価+加算事業所の主な利益源。未回収リスクほぼゼロ
生産活動収入軽作業・製品販売等の売上経費を除き原則全額を利用者に工賃として支払う義務あり
人件費サビ管・職業指導員・生活支援員等費用の最大項目。配置基準を満たす必要あり
家賃・設備費事業所賃料・作業設備立地とバリアフリー対応が必要

注意すべきは、利用者が生産活動で稼いだ売上は原則全額を利用者への工賃として支払う義務があり、事業所の利益にはできない点です。事業所の利益はあくまで給付費から人件費・家賃などの経費を差し引いた部分となります。

定員20名・稼働率90%程度で安定運営できれば、高い営業利益率を実現するモデルも一部で示されています。ただしこれは稼働率を高く維持できた場合の理想値であり、稼働率が損益分岐点を下回れば一気に赤字化します。前述のとおり実際には約4割の事業所が赤字である点を踏まえ、事業計画は保守的に立てることをおすすめします。

ストックビジネスとしての安定性は他業種にも通じるテーマです。開業初年度の収支感覚をつかみたい方は開業1年目の月次売上・経費・利益の実態もあわせてご覧ください。

就労継続支援B型のFCブランド比較

現在FCとして伸びているのは、報酬改定のトレンドに適合した「高工賃」「専門性・デジタル化」を掲げるブランドです。代表的なモデルを比較します(各社の費用・拠点数等は本部公表・第三者情報に基づく参考値であり、最新の正確な条件は必ず本部に直接ご確認ください)。

リハスワーク(株式会社リハス)

「障害があっても稼ぐ」を掲げ高工賃を目指すものづくり・農福連携特化型

おすすめポイント

  • 医療専門職と連携した支援体制
  • 地域企業からの仕事受託ノウハウを提供
初期費用目安300万〜500万円(本部公表の参考値・要確認)
特化領域ものづくり・農福連携
拠点数直営・FC含め複数拠点(最新数は本部要確認)
キャリカク / でじるみ

デザイン・動画編集・SNS運用などデジタル業務中心のIT特化型モデル

おすすめポイント

  • 体力に自信がない方でも通所しやすい
  • 付加価値が高く工賃を高く設定しやすい
特化領域IT・デジタル業務
強みプロのクリエイターと連携する仕組み
報酬改定適合度高い(高工賃を実現しやすい)
超人就B

お菓子作りなど一般就労に繋がりやすい仕事内容を提供するモデル

おすすめポイント

  • 一般就労への移行を意識した業務設計
  • 収益モデル例は本部提示値(利用状況により変動)
特化領域お菓子作り等の生産活動
収益モデル例本部提示の試算値(実績を保証するものではない・要確認)
強み一般就労移行につながる作業内容

どのブランドにも共通するのは、利用者に行ってもらう「作業(仕事)」を本部が提供・開拓してくれる点です。仕事をゼロから開拓するのは困難なため、開業直後からスムーズに稼働できるFCの支援は大きな価値があります。IT特化型のような付加価値の高い作業は工賃を高く設定しやすく、報酬改定の潮流にも合致しています。

福祉・介護分野全体の動向を把握したい方は高齢者・福祉サービスフランチャイズガイド2026、放課後等デイサービスとの比較検討には放課後等デイサービスFC比較も参考になります。

就労継続支援B型FCで開業する流れ

未経験からB型事業所を開業する場合、行政の指定申請が必須であり、一般的な小売FCより準備期間が長くなります。標準的な流れは以下の通りです。

手順ガイド

1

事業計画とエリア選定・総量規制の確認

出店予定自治体の障害福祉計画と総量規制(新規指定停止)の有無を公式ページで確認し、保守的な収支計画を立てる。

2

FC本部の選定・加盟契約

工賃向上ノウハウや仕事提供の仕組みを持つ本部を比較検討し、契約条件を精査したうえで加盟契約を締結する。

3

物件確保とサビ管など人員の採用

バリアフリー要件を満たす物件を確保し、サービス管理責任者・職業指導員・生活支援員を配置基準通りに採用する。

4

指定申請・行政協議

都道府県・市町村へ事業所指定申請を行い、実地確認を経て指定を受ける。

5

利用者集客と開業・運営

相談支援事業所や医療機関と連携して利用者を確保し、稼働率を高めて安定運営に入る。

指定申請から開業までは、物件確保・人員採用・行政協議を含めて通常6ヶ月〜1年程度を見込む必要があります。特にサービス管理責任者(サビ管)の確保と、開業エリアの総量規制の有無の確認は、着手前に必ず済ませておくべきポイントです。

加盟前に確認すべきチェックリスト

FC本部の質と自社の準備状況を見極めるため、契約前に以下を確認しましょう。契約書の読み解きに不安がある場合はフランチャイズ契約書チェック10項目も併用してください。

チェックリスト

サビ管を確保できる目処があるか

採用難のため開業前から人脈・採用ルートを確認する

出店エリアに総量規制がかかっていないか

自治体公式ページ・障害福祉計画で最新の公表内容を確認する

本部が工賃向上につながる仕事を提供できるか

2024年報酬改定で低工賃事業所は減額対象

損益分岐となる稼働率を把握しているか

利用者が通所した日のみ給付費が発生する。全体の約4割が赤字である点に留意

利用者集客の支援体制があるか

相談支援事業所・医療機関とのネットワークが重要

自己資金と運転資金を確保しているか

給付費入金までのタイムラグに備える必要がある

就労継続支援B型FCの落とし穴・失敗要因

魅力的な収益モデルの一方で、失敗事例も少なくありません。主なリスク要因を公平に整理します。

1. サビ管(サービス管理責任者)の採用・離職リスク

事業所に必須の有資格者ですが、業界全体で慢性的な人手不足に陥っています。サビ管が退職して配置基準を欠くと給付費の大幅な「減算(ペナルティ)」が適用され、最悪の場合は指定取り消しや倒産に直結します。開業前から採用ルートを確保しておくことが不可欠です。

2. 利用者集客(稼働率)の苦戦

利用者が通所した日のみ給付費が発生するため、稼働率が損益分岐点を下回ると一気に赤字になります。前述のとおり全体の約4割が赤字であり、その主因は稼働率の低迷です。地域の相談支援事業所や医療機関とのネットワーク構築が生命線となります。

3. 総量規制(新規指定の停止)

事業所が急増した一部自治体では、供給量が障害福祉計画の利用見込量を超えたとして、新規指定の一時停止(総量規制)を検討・実施する動きがあります。札幌市などで新規指定の抑制方針が議論・公表されていますが、具体的な開始時期や対象は自治体ごとに異なり、変更もあり得ます。出店を検討する際は、必ず該当自治体の公式ページ・障害福祉計画で最新の公表内容を直接確認してください(本記事執筆時点で開始月を断定できる公的情報は確認できていません)。

4. 2024年報酬改定による「居場所型」事業所の淘汰

利用者に簡単な作業だけをさせて工賃を低く抑えていた事業所は、報酬が減額される仕組みへと変わりました。平均工賃月額が低い事業所は基本報酬単価が引き下げられ、逆に高工賃事業所は「目標工賃達成加算」などで高く評価されます。質の高い生産活動を提供できないFCモデルは、もはや通用しません。

こうしたリスクを踏まえ、FC選びの絶対条件は「利用者の工賃向上(自立支援)に繋がる業務設計を本部が提供できるか」です。開業前にリスク構造を体系的に理解したい方はフランチャイズの失敗事例と成功のためのガイドも参考になります。

よくある質問(FAQ)

よくある質問

A

厚労省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査」では、B型の平均収支差率(経常利益率に相当)は5.2%で、赤字事業所は約39%と二極化しています。定員20名・稼働率90%程度で運営できれば高い利益率を狙えるモデルも一部で示されていますが、稼働率が損益分岐点を下回ると赤字化するため、集客力次第で結果が大きく分かれます。なお「黒字事業所の平均収支差率15.6%」といった数値は公的資料で裏取りできないため、本記事では採用していません。

A

ブランドや物件条件により異なります。一例としてリハスワークでは初期加盟関連費用として300万〜500万円のプランが示されていますが(本部公表の参考値・要確認)、これに加え物件取得費、設備費、開業から給付費入金までの運転資金を別途確保する必要があります。正確な条件は必ず各本部に直接ご確認ください。

A

いいえ。生産活動で得た売上は経費を除き原則全額を利用者に工賃として支払う義務があります。事業所の利益はあくまで国から支払われる訓練等給付費から、人件費や家賃などの経費を差し引いた部分です。

A

はい、必須です。配置基準を欠くと給付費の大幅な減算が適用され、最悪の場合は指定取り消しや倒産に直結します。業界全体で人手不足のため、確保と定着が運営の生命線です。

A

事業所が急増した自治体が、供給量が障害福祉計画の利用見込量を超えたとして新規指定を一時停止する規制です。札幌市などで新規指定の抑制方針が議論・公表されていますが、具体的な開始時期・対象は自治体ごとに異なり変更もあり得ます。出店を検討する際は、必ず該当自治体の公式ページで最新の公表内容を直接確認してください。

まとめ

就労継続支援B型フランチャイズは、給付費ベースの安定したストックビジネスであり、運営次第で堅実な収益を狙える魅力的な分野です。市場も事業所数約16,068カ所、利用者数約32万3,786人(厚労省2024年6月時点)へと拡大を続けています。

一方で、厚労省「令和5年経営実態調査」ではB型の平均収支差率は5.2%赤字事業所は約39%と、決して楽観できない二極化の現実があります。サビ管の確保難、稼働率の維持、総量規制、そして2024年度報酬改定による質の二極化という明確なリスクが存在します。

「箱を作って利用者を囲い込む」古いモデルは制度上排除されつつあり、これからの成功条件は「工賃向上と一般就労移行に資する業務設計を提供できる本部を選ぶこと」に尽きます。社会貢献性と収益性を両立できる稀有なビジネスだからこそ、制度理解と本部の見極めに時間をかけ、慎重に判断することをおすすめします。

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この記事の執筆者

フランチャイズコンパスの編集部です。フランチャイズ本部の公表資料・一次情報をもとに、開業資金・ロイヤリティ・契約条件・サポート体制を中立的な視点で調査・比較し、独立開業を検討する個人の意思決定に役立つ情報を発信しています。掲載する数値・条件は確認済みの情報のみを扱い、不明な項目は空欄のまま残す方針です。運営は株式会社プレスエー。

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