最低賃金1500円は本当に来るのか?フランチャイズへの影響
政府は最低賃金の全国加重平均を早期に1500円へ引き上げる方針を掲げており、地方でも上昇ペースが加速しています。従来、時給900〜1,000円台を前提に組まれていたFCの収支モデルは、時給が1.5倍近くになることで根本から見直しを迫られています。
仮に月間の総労働時間が1,000時間の店舗で、時給が1,000円から1,500円に上がった場合、人件費は月50万円増加します。これは飲食店やコンビニの月間営業利益に匹敵する規模であり、対策なしでは赤字転落しかねません。
FC市場全体は縮小しているのか?
意外にも、フランチャイズ市場全体は逆風下でも拡大を続けています。一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)「2024年度JFAフランチャイズチェーン統計調査」によると、チェーン数は1,291チェーン(前年度比+0.5%)で2年連続増加、店舗数は25万4,478店舗(前年度比+0.7%)、売上高は29兆2,826億円(前年度比+3.6%)と4年連続のプラス成長を記録しました。
つまり市場そのものは伸びており、問題は「どの業態が人件費高騰に耐えられるか」という二極化にあります。労働集約型が苦戦する一方、省人化・高付加価値型が売上を牽引している構図です。
人件費高騰の実態|損益分岐点はどう変わる?
人件費が収益に与えるインパクトを、モデルケースで整理します。以下の表は本部の実績データではなく、一般的な業態特性から編集部が試算した想定値であり、実際の数値は立地・規模・ブランドにより大きく異なります。あくまで構造の違いを理解するための参考としてご覧ください。
※上記は編集部による試算であり、特定ブランドの収支を保証するものではありません。
従来型では、時給1500円化で人件費が90万円から120万円超へ膨らむと、営業利益は一気に圧縮されます。一方、そもそも人を常駐させない無人型はこの直撃を受けにくいのが特徴です。
経済産業省「商業動態統計」の分析(2025年小売業の振り返り)でも、2025年の小売業販売額は前年比+1.4%と増加したものの、その伸びは売れた数量ではなく価格要因(値上げによる単価上昇)が牽引したと指摘されています。つまり生き残りやすいのは「コスト増を価格転嫁できた企業」です。
人件費高騰に強いFC業態はどれ?
人件費高騰への耐性という観点で、FC業態は大きく3つの生存戦略に分類できます。以下で代表的な業態タイプを比較します。