退職後に必要な社会保険・年金の切り替え手続き
会社を退職した翌日から、健康保険と年金の資格は喪失します。空白期間を作らないために、退職後14日以内に以下の手続きを完了させましょう。
健康保険の選択肢は3つ
退職後の健康保険には、主に3つの選択肢があります。
- 国民健康保険(国保)に加入する — 市区町村の窓口で手続き。保険料は前年の所得に基づいて計算されるため、退職直後の1年目は高額になりがちです。自治体により料率が異なりますが、年収500万円の場合、年間保険料は概ね40万〜60万円程度が目安です。
- 任意継続被保険者制度を利用する — 退職前の健康保険を最長2年間継続できます。退職後20日以内に申請が必要。保険料は在職中の約2倍(会社負担分も自己負担)になりますが、上限額が設定されているため、高所得者ほど有利になるケースがあります。2022年の法改正により、任意のタイミングで脱退が可能になりました。
- 家族の健康保険の被扶養者になる — 配偶者が会社員で、自分の年収が130万円未満(60歳以上は180万円未満)の場合に選択可能。保険料負担はゼロですが、事業所得が増えると要件を満たせなくなります。
年金の切り替え
厚生年金から国民年金(第1号被保険者)への切り替えが必要です。市区町村の窓口で手続きを行います。2025年度の国民年金保険料は月額17,510円です。配偶者が第3号被保険者だった場合、配偶者も第1号被保険者に切り替わり、夫婦で月額約35,000円の負担となります。
厚生年金と国民年金の将来受給額の差は大きく、厚生労働省のモデルケースでは、40年間厚生年金に加入した場合の月額受給額は約15万6,000円に対し、国民年金のみでは約6万7,000円と半分以下になります。この差を埋めるために、国民年金基金やiDeCo(個人型確定拠出年金)の活用が重要です。
雇用保険・労災保険の注意点
退職後は雇用保険の被保険者資格も喪失します。失業給付(基本手当)は「再就職の意思がある人」が対象であり、開業届を出すと受給資格を失う場合があるため注意が必要です。ただし、ハローワークで「再就職手当」の要件を満たせば、残日数に応じた一時金を受給できるケースもあります。
また、個人事業主本人は原則として労災保険の対象外です。業務中のケガや病気に備えるには、特別加入制度の利用や民間の所得補償保険への加入を検討しましょう。
個人事業主 vs 法人設立|社会保険コストの徹底比較
フランチャイズ開業では「個人事業主としてスタートするか」「最初から法人を設立するか」が大きな分岐点になります。社会保険の観点から両者を比較してみましょう。
